ジンベエザメと泳ぐ

 -  - 


ウンベルト・ゴメス

皆さんは全長9.5メートル、体重9トンの巨大な魚と並んで泳ぐ風景を想像できますか。それもあのジンベエザメだったら、もっとびっくりしますよね。それが実現できるのが、バハ・カリフォルニア・スル州の州都ラ・パス市なのです。

ラ・パス【La Paz】 は、その名の意である「平和」がまさにぴったりの人口20万ちょっとの、メキシコの田舎町特有のぬくもりと素朴さが残る平和な街です。

近年 の 爆 発 的 な 観 光 開 発 が 進 む バ ハ · カ リ フ ォ ル ニ ア 半島 に あ っ て も, 比較 的 開 発 速度 が 緩 や か な ラ · パ ス で は, タ ー コ イ ズ ブ ル ー 色 の 海 と 人 が 踏 み 込 ん だ こ と の な い よ う な 美 し い 砂 浜, そ し て 背後に そ び え る サ ボ テ ン が 生 い 茂 る 荒涼 と し た 大地 の コ ン ト ラ ス ト が 美 し い 場所 で す.

写真: shutterstock.com

そのようなラ・パス湾内では、10から20頭の群れを作るジンベエザメを見ることができます。このジンベエザメ、スペイン語名はサメクジラですが、実際にはクジラ科の哺乳類ではなく、攻撃性を持たないサメなのです。非常におとなしい熱帯性のサメで、時速5マイルほどのゆっくりとしたスピードで悠然と泳ぎ、そしてこのような雄姿の彼らと一緒に泳ぐことができます。

ラ・パス沿岸にはこの大自然の贈り物というべき奇跡の光景を楽しむための観光船のサービスがあり、毎年10月から4月に観光客をジンベエザメの群の近くまで連れて行ってくれます。概ね、どのツアーでも2時間前後で約70ドル。シュノーケル、ウェットスーツ、ガイド、軽食、SEMARNAT(海洋天然資源庁)発行のジンベエザメとの遊泳・観察許可、さらに乗船保険とジンベエザメ保護のための寄付のブレスレットが含まれます。

残念ながら過去には、観察ガイドラインがなかったため、ジンベエザメは違法な観光産業から大きなダメージを受けていましたが、ここ最近の6年間、バハ・カリフォルニアのラ・パスでは状況が変化し、ジンベエザメへの接近を許可するための具体的なルールが定められ、人とジンベエザメとの触れ合いの規準も設けられました。大切な自然遺産であるジンベエザメとの触れ合う環境や機会を大切にしていこうという機運が高まっています。現在、シーズン中には不許可観光船の巡回監視が行われています。この監視は行政だけではなく、「市民監視者ネットワーク」などの市民グループの協力も得て行われています。

オーストラリアやインドネシアも含め、ジンベエザメ観察は世界中の12か所で行われているようですが、規模や機会から見ると、ラ・パスでのジンベエザメ観察が最大級といえるのです。

bookmark icon