中国との貿易が急増? 貿易のバランス クリスマスシーズンで見え るメキシコの課題

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オリビア・ディアス

「クリスマスシーズン の貿易収支はプラスマ イナス0?」

INEGI(国立統計地理情報院)、経済 省、WTO(世界貿易機関)が作成した貿 易収支の年間レポートを読んだ後、私 は上記のような疑問が浮かびました。そ してその内容を精査し、メキシコの国 境を行き交う輸入及び輸出品の動向に 目を見張りました。

WTOによれば、現在メキシコは世界で 最も輸入が活発な15カ国のうちのひと つです。事実、12月分は含まない2015年 度の輸入額は3630億ドル(米ドル)にも 及びました。主な輸入国と比率は以下 の通りです。

アメリカ合衆国 – 50.2%  中国 – 14.7%  日本 – 4.7%  その他(韓国、ドイツ、カナダ、マレー シア、イタリア、台湾、スペインなど)- 30.4%

ここで注目したいのは、輸入品の大多 数が直接消費者に行き渡る製品ではな いということです。実にその75%が、以 後の製造工程を経ることによって製品 になる中間製品なのです。これら中間製 品はメキシコに着くと、何らかの加工が 施されて消費者に、または輸出されま す。

次に多い輸入品のカテゴリーは、直 接消費者に行き渡る製品で14.4%、三 番目は資本財(電機資材、機械)で10.5 %になります。 一方、2015年の輸出額は3800億ドル( 米ドル)にも及んでいます。主な輸出品 は以下の通りです。

加工食品 – 菓子、サトウキビ、チョコレ ート

農作物・畜産物 – 牛肉、野菜、トマト、 アボガド、ビール、ラズベリー、ブラック ベリー

製造品 – 自動車、航空産業 医薬品 – 治療薬、抗毒素、バイオテクノ ロジービタミン

エネルギー – 石油、天然ガス、電力、 油、潤滑油

消費者製品 – 電子製品 (ディスプレイ、携 帯)、電気製品 (モーター、ワイヤー、ケーブ ル、電力設備)、家電 (冷蔵庫、冷凍庫、洗濯 機、エアコン、ガスコンロ)、オーディオビジ ュアル、情報技術 (情報技術サービス)

年間を通しての輸入・輸出を簡単に見てき ましたが、市場が活性化するクリスマスシー ズンについてはどうなっているのでしょう か。 ANIERM(メキシコ合衆国全国輸出入業者 協会)によると、クリスマスシーズンの輸出 及び輸入額の規模は700億ドル(米ドル)に も上り、その90%が中国との貿易によるも のと伝えています。

この時期に見られるクリ スマスツリーなどの製品は、主にアメリカや カナダから輸入していますが、クリスマスの 飾りや玩具などは90%が中国からの輸入で す。 加えてANIERMは、クリスマスシーズンにお ける奇妙な点を指摘します。それは、クリス マスシーズンのメキシコの主要輸出品目に クリスマスツリー、クリスマス用の各種オー ナメント、関連電化製品や衣類などが含ま れているということです。

ANIERM会長の説 明によれば、メキシコはクリスマス関連製 品をたくさん生産し、輸出も行ってはいる が、一方、国内の需要を捉えきれていない 現状があるとのことです。 例を挙げると、メキシコ人は特に金銭事情 が厳しい年には、手作りの玉飾りなど品質 の高い国内製品よりも、価格の安い合成素 材でできたアジアからの輸入品を好む傾 向があります。

このようにある種の分野では、すでに国内 製品は輸入品との価格競争に勝てない部 分が出てきており、市場の変化が起こって いることを懸念しています。さらに懸念され ることは、その分野が急速に広がり、国内 製品の多くが輸入品に価格競争で敗れ、駆 逐されてしまうことです。

 

国内需要がこのような市場動向を指し示す 中、政府はPROMEXICO(メキシコ貿易投 資促進機関)を通して、クリスマス商品など の季節製品の輸出をさらに促進させる施策 を強化しています。 以上、今回は輸入・輸出状況の一端から見 えるメキシコの経済・市場動向をお伝えし ました。

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