メキシコの伝統 「死者の日」 各地に生き続ける伝統とは?

 -  - 


カルロス・マリア・フローレス・リベイラ

メキシコからあの 「死者の日」( Día de Muertos)がな くなったら、いったいどんな風になっ てしまうのでしょうか。この印象的な 装飾を施すこの祝祭は、メキシコ独 自の文化として世界中で知れ渡って います。この行事を今日まで実施で きることはメキシコ人として誇り高い ことなのです。

そんな死者の日の祭典ですが、その 中でも一番目を引くのが、カラフルな 花や様々な食べものが供えられた祭 壇でしょう。これは、伝統的には愛す る故人のためにつくられるもので、パ ン・デ・ムエルトと呼ばれる、死者の 心臓を模したパンが飾られるのが一 般的。とはいえ、広いメキシコですか ら、そこにはメキシコ国内各地のそれ ぞれに趣向を凝らした独自の死者の 日の祝い方も存在します。それは、メ キシコ人には知られていることです が、日本人のみなさんはあまり認識 がないと思います。

例えば、モレーロス州のオコテペック では、今年なくなった死者には、特別 に“Ofrendas Nuevas”(新しい祭壇) と呼ばれる祭壇をつくります。普通の 祭壇との違いは、個人の身体を模し たものを飾ることです。新しい衣服、 靴などを飾り、頭の部分には、みな さんもよく見かける砂糖で作った骸 骨(アルフェニィーケ)を置きます。そ して、周りには故人が好きだった食 べ物や飲み物を置くのが風習となっ ているのです。

この「Ofrendas Nuevas」があるとこ ろは、実はすぐに見分けがつきます。 なぜなら、家の入口から家の中の祭 壇まで、センジュギクで飾られた花道 がつくられているからです。訪問者は この祭壇に来た際は、故人の家族か らポンチェ(果物を黒砂糖やシナモ ンで煮て作ったメキシコ風フルーツ ポンチ)やコーヒー、タマーレスなど が振る舞われます。その代わり、訪問 者は花やろうそくをささげるのが、し きたりとなっているのです。

チアパス州の観光都市サンクリスト バル郊外にあるサン・フアン・チャム ラでは、死者の日は「Kim Anima」と 呼ばれています。これはマヤ語由来 の言葉です。ここでは、11月1日に、故 人を呼び寄せ、その次の日の11月2日 は、故人が「Katim Bak」と呼ばれる火葬場に戻れるよう、お別れをする のです。

この「Katim Bak」では、故人 の家族が、大天使ミカエルの像や写 真を持って、3周回します。サン・フア ン・チャムラの村人たちは、この儀式 をしないと、故人の怒り買い、残され た家族のうち誰かが深刻な病気にな ると考えているのです。

ユカタンでは、「Hanal Pixán」(魂の 食事)と呼ばれる行事が行われます。 これはマヤ文明で行われた死者の日 と同じような儀式とされていますが、10月15日~11月15日と長期間に わたって行われます。その最たる特 徴は、この期間中、子霊が子どもたち を運んでいかないよう、子どもたちの 右手に黒いリボンを巻き、守ろうとす るものです。また、この期間中は、犬 も、黄泉への道を渡らないよう、ずっ と繋がれているようです。

そのほか、カンペチェ州ポムチュで は、地中に埋まっている愛する人の 遺体を掘り起こす奇習が存在しま す。この行事をするには、遺体は少なくとも3年埋まっていないといけず、 遺体が掘り起こされた後、注意深く 洗浄され、遺族が手制した木製の納 骨堂に、分割して収められます。そし てそれを、様々な墓においておくので す。そして死者の日が終わった後、も ともと埋まっていた場所へと還すの です。

「死者の日」( Día de Muertos)、こ の崇高な伝統のことを書くとなると、 残念ながらこの紙面では到底足らな いのです。とはいえ、ここではレオン 文化センター(Instituto Cultural de León)がこの日の行うアクティビティ についても、皆さんにご紹介します のでぜひ、日本人のみなさんにも、「 死者の日」( Día de Muertos)を体 験して、一緒に死者の日を祝ってもら いたいと思っております! 毎年、この死者の日には、死者の日に関する映画の上映などを開催して いるほか、墓地である「Panteón San Nicolás」からセントロのメイン広場 Plaza Principalを深夜に行進するイ ベント「Despertar de las Ánimas」を 開催しています。

またセントロにある別のメイン広場 「Plaza Fundadores」では、アルフ ェニィーケ・フェスティバル(la Feria del Alfeñique)が開催しています。こ のアルフィニィーケとは、先ほど説明 した、レモンと砂糖で作られた骸骨 のことです。様々な色でカラフルなデ コレーションされた骸骨を一つ味わ ってみてください。そのほか詳細について、mexico新聞 のSNSを通じて、随時紹介していきま す。

bookmark icon