12月の食卓 クリスマスシーズンのメキシコ

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モンセラット カストロ

クリスマスは文化的、宗教 的なだけでなく、美食的 なものまで幅広く様々な 方法で、世界中でお祝い されるイベントです。もちろん、メキシコも お祝いします。 多くのメキシコの人々はクリスマス・イブの 12月24日の晩には家族で夕食を囲み、プレ ゼント交換を行ったりして親交を深めて過 ごします。また、新年を迎える大晦日の12 月31日の晩もこのように過ごします。

では、この特別な時期にどんな料理が食卓 を飾るのでしょう?そこにはこの時期にし か見られない伝統的な料理や食材などが 登場します。

食材

このホリデーシーズンのメキシコ各地の市 場には、ドライなものから新鮮なものまで 数多くのフルーツが並び、まばゆいばかり な溌剌とした明るい色とその甘く豊潤な香 りで包まれるので、他の月々とは違った 装いで市場は満ち溢れます。

サトウキビ:ブラウンシュガー やジュースを作るのに使いま す。また、皮を剥いて食したり もします。クリスマスシーズン では、ポサダ【posadas】(メ キシコの伝統的なクリスマス パーティーのこと)の時にピニ ャータ【piñatas】(紙製の張り 子のくす玉で、中にお菓子などを 入れます)にも入れたりもします。 フルーツ・パンチを作る時にはとても 重宝されます。

メキシカンヤム:名前の由来はナワトル語 の「xicamatl」。ジャガイモやサトイモなど の塊茎に属します。黄色がかった皮に白い 果肉、ジューシーかつ素朴な味で、高いデ ンプン量でサクサクとした食感。プレ-ヒス パニック時代から使われ、中央アメリカか ら来ています。普段はキャンディーのように 細長く、または立方体にカットして、レモン ジュースやチリ・ペッパーのパウダー、ホット ソースに使いますが、12月のクリスマスシー ズンではピニャータの中に入れたり、また パンチの味に加える人もいます。

タンジェリン:シトラスの一種でほろ苦く、 滑らかな表面に淡い色でジューシーな果 肉。アジア起源のもので、温暖な気候で育 まれて10月から2月に店頭に並びます。ま た、ピニャータの中にも入れられる果物の ひとつですが、クリスマスのディナーでは七 面鳥のソースにも使われています。

ローズマリー:ホーリーウィークやクリスマ スシーズンに多く使われることから、メキシ コではその需要を見込んで計画的に栽培 されています。料理では主にレッド・モレや ポテト料理やエビのサンドイッチ、パンやコ ーン・トルティーヤを作る時、またサンドイ ッチのちょっとした具材として様々な用途 で使われています。

サンザシ(インディアン・アップル):ナワト ル語で「Texocolt」と言い、石や硬い物とい うことを意味しますが、表面は滑らかで薄 い皮で覆われています。茶色がかった黄色 やオレンジ色の粒で、形状はまるで小さな リンゴのようです。果肉にはわずかな酸味があり、肉質は少し硬いので、メキシコで は熟したものや加工されたものが使われま す。主にフルーツ・パンチやアップルソース などの味を整えるのに使われています。

料 理

12月のホリデーシーズンのメキシコ料理に は様々なものがあり、特にクリスマスのディ ナーに関して言えば、地域によってたくさん の違いが見られます。例えば、メキシコの中 央部では奥さんがロメリート【romeritos】 (ローズマリーの一種、日本ではオカヒジ キとして扱われている)、豚のテンダーロイ ン(豚フィレ肉)のマリネ、アップルサラダ、 デザートに綿菓子を準備するのが通例とな っています。北東部でもアメリカ国境に近 い地域では、その影響からでしょうか、七 面鳥にクランベリーゼリー、グレービーソー ス、ライスにタラ、そしてここでもロメリート を準備するのが一般的と言われています。 その他の北東部ではポソレ(コーンシチュ ーなどの煮込み料理)にスイート・フリッタ ー(洋風天ぷら)を、南部ではタマレス(肉 や野菜をトウモロコシの生地で包んだ料 理)、七面鳥やロメリートを準備するのが一 般的です。

綿菓子:メキシコ中央部の典型的なこの甘 いお菓子は、たくさんの色のものが見られ ますが、メキシカンピンクと呼ばれる鮮や かな色のものが人気です。砂糖を機械で溶 かして細い糸状にしたものを集めて、様々 な野菜のような色で着色し、お好みの大き さに合わせて棒に絡めます。子供だけでな く大人にも人気で、見本市や町のお祭りで は必ず見られ、ホリデーシーズンの間はメ キシコのどの町でも見ることができます。

タラ:スペイン料理の中でもメキシコの人 たちに大変好まれる料理のひとつです。今 では、ホリデーシーズンや四旬節(復活祭 の46日前の水曜日から復活祭の前日まで の期間)に出される料理となっています。最 も伝統的な調理法としては、ドライのタラ の塩気を抜いて細かくカットし、それにトマ ト、調理したジャガイモ、タマネギ、ニンニ ク、唐辛子などを加えて味付けします。この 料理は、スペインによる征服が私たちの今 日の生活にどのような影響を及ぼしたのか を明確に伝えています。

スイート・フリッター:これはキャンディーの ような甘い揚げ物です。小麦粉、砂糖、ラー ド、卵、水、塩を準備し、伝統的なやり方と しては、小麦粉をひいたまな板の上でこね ながら伸ばしていきます。今度はそれをカリ カリになるまで油で揚げます。熱いうちに 砂糖、もしくは粉末のブラウンシュガー、シ ナモンをまぶすか、アニスなどで味付けさ れたシロップを塗ります。ホリデーシーズン 中の見本市、またはクリスマスのディナーで よく食べられる料理です。

アップルサラダ:多くのレストランのシェフ が「ウォルドーフ・サラダ」と呼ぶこのサラダ は、「お母さんの味」として浸透し、各家庭 でレシピが様々です。その中でも最もポピ ュラーなのは、シロップ、ナッツ、レーズンと クリーム、そして黄色いリンゴとパイナップ ルの組み合わせのものでしょう。そこにセロ リ、さらにマヨネーズを加えるとひと味違う バージョンに変化します。

クリスマス・サラダ:このサラダはその色彩 と味により、とても人気の高いものとなっています。食材はメキシカンヤム、赤カブ、パ イナップル、松の実、クルミ、ピーナツにレー ズン。それらにオリーブオイルをかけて、塩 とハチミツで味を整えます。メキシコ各地 で人気があり、特にベラクルスでは絶大な 人気を誇っています。

ポンチェ:沸騰した水に粉末のブラウンシュ ガーやシナモン、様々なフルーツや果汁を 加えたホットなドリンクです。味や作り方、 使う食材は地域によって様々です。一般的 なものとしてリンゴ、サンザシ、プルーン、サ トウキビ、グアバ、パイナップル、ハイビス カスの花があり、大抵はブラウンシュガー とシナモンで甘さを整えます。クリスマスの ディナーや新年のパーティーでよく出され る飲み物です。

ポソレ:ナワトル語で「煮る、もしくは泡立 つ」という意味を持つ「tlapozonoalli」が語 源の「pozolli」が名前の由来であるポソレ。 昔はトウモロコシと豚肉で調理されたスー プでしたが、今ではタマネギ、オルガノ、レモン、ソース、レタス、ラディッシュ、ハード シェルのトルティーヤなどを煮込み、メキ シコ各地で薄い澄んだスープとしてスープボ ールなどで出されます。

タマーレ:ナワトル語で「tamalli」が由来の この料理は、プレ-ヒスパニック時代からの オリジナルの料理です。乾燥したトウモロ コシの葉、もしくはローストされたバナナの 葉の上に広げられた、トウモロコシの粉で できた生地で包みます。包む具材はチキン モレ、豚肉のグリーンソース和え、チーズが 詰められたポブラーノ・チレのスライス、豆 とチーズなど、その他バラエティ豊かで、そ れらを生地に包んで蒸します。また甘いタ マーレを作る場合は、パイナップル、レーズ ン、ミルクライス、ソフトタフィー、チョコレ ートなどを使います。その際、生地はラード や水、トマトの皮などをホイップして、味や 硬さなどを調整しなくてはなりません。

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