クリスマス メキシコの家庭的な過ごし方

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エデイット バルガス

甘い香り漂うお祝いの雰囲気、楽 し気な音の調べ、深紅のワインで の祝杯。これが一般的なクリスマ スのイメージ。しかしメキシコで のクリスマスのメインイベントと言 えば、12月24日の夜に家族みんな が集まって祝うこと。

クリスマスを祝う方法は様々あ り、大勢を集めてお祭りみたいに 楽しむ人もいれば、より静かなお 祝いを好む人もいます。ここでは そんなたくさんあるお祝いの仕 方の中からいくつかをご紹介しま しょう。

最初に、メキシコのほとんど の人がカトリックを信仰して いることから、イエス・キリス トが誕生した日や彼の両親で あるヨセフとマリアがかくまわ れた機会を題材に、宗教的テ ーマを背景にしたお祝いがあ ります。12月23日を除く12月16 日から毎日どこかで催される 「ポサダ」【posadas】です。

七面鳥、ロメリート、タマー レ、ポソレ、スモーク(ターキ ー)レッグ、パスタにサラダ。 そして乾杯のために忘れては ならないのは、アップルサイダ ー、赤ワインにシャンペン、も ちろんテキーラも。料理準備 はとても早い時間から始めら れ、ホストは陽が落ちるとお 祝いのポサダの準備を始め、 ゲストはこの晩餐を楽しむた め家族単位で赴きます。祖母 や祖父、叔父、叔母、いとこた ちなど自分の家などに家族や 親戚一同が会する、それはと ても大切な時間です。

メキシコの伝統的なクリスマ スのお祝いの仕方として、ロザ リオの祈りから始まります。そ の際には、あたかも赤子を眠 らせるようなしぐさをします。 なぜならイエス・キリストの誕 生は象徴的だからです。 これはとても特別な歌で、メ キシコでは同じメロディで同 じ詩を歌い、そのフレーズを 何度もリフレインします。

“Y a la rorro Niño y a la rorro ro, Que viniste al mundo solo por mi amor, Que viniste al mundo solo por mi amor”. み子よ お眠りなさい  み子よ お眠りなさい み母の愛で 生を授かる み母の愛で 生を授かる

この曲全体で10分近く続くことも あります。 歌っている間、その中の二人が赤子のイエス・キリストをイメージし たハンカチを抱き、あやします。こ の二人は神の両親・ヨセフとマリ アを意味しています。この歌は大 きな喜びをあふれるばかりの表現 でもって歌い続けられます。 歌が終ると、皆で赤ん坊のイエ ス・キリストの周りを歩き、感謝の キスをして、彼の揺りかごを飾る お菓子を取ります。 これがもっとも一般的なメキシコ のクリスマスにおける宗教的な儀 式です。

そしてグラスにワインや飲み物が 注がれ、家族が一堂に会した喜 びを、これからの幸せを祈りなが ら乾杯の時間を迎えます。グラス を高く掲げて乾杯し、メリークリ スマスの思いと共に皆でハグしま す。 その他にみんなでプレゼント交 換をしたり、ゲームをして楽しんだ り、雑談を楽しんで過ごします。

そんな中、空腹感はおさえきれま せん。特別な夜のために準備され た料理が待つ部屋へと移り、それ を味わう喜びを噛みしめる時が 訪れます。祖父、父、もしくはホス トが七面鳥をカットして、皆に配り ます。そして食べ物や飲み物が無 くなっても偶然テキーラのボトル だけがテーブルにあるかもしれま せん。けれどそれが当たり前なん です。私たちメキシコ人がよく言 うことに、すべてのお祝いにテキ ーラを欠かすなと。このようなお 祝いに良いテキーラを忘れること は決してありません。

ディナーの後はパーティーにな り、カラオケやクンビア、サルサ、 ロックでダンス。メキシコの家族は宗教的な文化や慣習も大切に守りつつ、家族が集まり、そしてク リスマスを共に祝い、楽しむので す。

ここ数年前からレオンのある地 域では、家の外でのキャンプファ イアーをする人々が見受けられま す。メキシコの12月中旬の寒い気候の中で、火を囲んでみんなで雑談したり、物語や童話を語ったり しています。 パーティーは新しい日差しが現れるまで続きます。しかしそこで終りません。12月25日は、前の晩の ディナーを調理し直して家族みん なで満喫するのです。 このように集まってクリスマスを 過ごすことは、改めて家族として のつながりを感じて喜ぶ、今やメ キシカンスタイルとなった古くか ら受け継がれたお祝いの仕方な のです。

 

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