環境にやさしい世界を  世界アースデイを迎えて

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エマルース・デルガド

この地球は人 間だけのもの ではありませ ん。動物や植 物などの生命が生息していま す。人間以外の生物と共存して いることを自覚し、あらゆる生 命への配慮を行うことが必要 なのです。しかし、私たちはそ ういうことを理解しつつも、環 境に配慮せずに生活している 実状が多く見られます。 4月22日の世界アースデイを 控えて、今回はメキシコの環境 問題について各種データを交 えながら見ていきたいと思い ます。

■66%の自治体は下水処理を 行っていない!?

世界的に環境問題への配慮が求 められている昨今。メキシコ人も それは同じであり、18〜60歳の 87%が環境への配慮に「関心が ある」と述べています。しかし、 続く「実際に何か対策をしている か」という問いに「はい」と答えた のは31%しかいませんでした。 その背景には、私たちが生きてい く上で必要な水がメキシコの全て の人に行き届いていないことが大 きく係わっていると思われます。 全人口の1割強にあたる2200万人が飲料水を手に入れられな い状態で、つまり、上下水道の整 備がなされていないのです。特に 下水においては深刻で、77%の 下水はそのまま河川に流され、メ キシコの地方自治体の66%は下 水処理を行っていません。全般的 に「処理すること自体が難しい」 という下水処理への意識が低い ことが、水への配慮につながらな い原因なのかもしれません。

■約90%のゴミは分別 されていない!?

日本人ならメキシコでゴミが全く分別され ていないことに驚いた方も少なくないでし ょう。メキシコでは1日に8万7千トンもの ゴミが出され、これは1人あたり2キロもゴ ミを出している計算になります。さらに驚く ことに、そのうちの11%しか分別されてい ないのです。もちろん、これは回収されたも のだけのデータで、街角などに平然と捨て られているゴミは一体どうなるのでしょう。 誰かご存知ですか?

■危惧種の15%の植物と25%の動物が 絶滅のおそれ!?

ハカランダ、コスモス、ポインセチアなどメ キシコ人は花好きとして知られ、沢山の花 々が町を彩ります。しかしその一方で、メキ シコでは既に382種類もの花が絶滅の危 機に瀕しています。 国際自然保護連合は絶滅の恐れがある動 植物を3つのカテゴリーに分け、メキシコ では182種類がその一番下のランクであ る「危急」という状態です。2番目の「絶滅 危惧」状態は146種類、そして残りの54 種類は最も絶滅の危険度が高い「絶滅寸 前」状態にあるとされています。

動物でも話は同じで、749種類の動物 が絶滅の危機に瀕しています。そのなか で約25%の192種類もの動物が危険 度の高い「絶滅寸前」状態とされてお り、255種類が「絶滅危惧」、そして3 02種類もの動物が「危急」の状態な のです。

■CO2排出の90%以上は産業から

メキシコではおよそ4億4200万トン もの二酸化炭素が排出されています (※1)。そのうち29.4%は石油やガス などの産業部門によるもので、26.2% は自動車、鉄道、船舶、航空機などの運 輸部門、19%は発電所などのエネルギ ー転換部門から排出しています。その他 に16.9%は農業部門によるもので、こ うして数値で見ると全体の90%以上 が産業自体やそれらの構造によるもの で、産業界全体で二酸化炭素対策を押 し上げて取り組む必要があるというこ とがわかります。 一方で、商業廃棄物などによる家庭部 門からも8.5%も排出されており、日 々の暮らしの節電やゴミの分別などの 家庭内対策も徹底しなければなりませ ん。

※1・・・IEA(国際エネルギー機関)2 015年データより

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