サソリの対策とその常識 一番効果的なものは?

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■サソリが好む場所はどこ?

メキシコで生活をしていると、「サソリ【Alacrán】に気を付けて」と言われたことは一度や二度はあるでしょう。しかし、実際にサソリの被害に遭った日本人という話はあまり聞かず、「もしかしたらメキシコの一部の地域だけの話なの?」と首を傾げる方も多いと思います。しかし、グアナファト州レオンにある日系クリニック「コスモスファミリークリニック」のマリア先生は警鐘を鳴らしています。

「元々サソリは暑い場所を好み、日差しが強いバヒオ地区、特にレオンでは注意が必要です。私が以前働いていた病院では、多い時に一晩で4~5人はサソリに刺された患者さんが来ていました。」

本来サソリは、暗いところや静かなところに潜む習性があります。そのため、タンスやクローゼットの中に隠れているケースもあります。

「患者さんの中には、タンスの中や庭に干していた服の中に隠れたサソリに刺されたケースや皺くちゃのままのベッドシーツに隠れていたサソリに刺されたケースもありました。」

マリア先生は何気ない普段の生活でも常に危機感も持ってほしいと訴えています。そしてこのようなサソリ被害に遭わないために、以下のことをおススメします。

1.毎日の整理整頓がポイント

少しでもサソリが隠れるスペースを無くす最も効果的な予防法です。そのためには毎日部屋を片付けるようにしましょう。庭によく出没しますので、物を置きっぱなしにせず、整理整頓を心掛けてください。また、ベッドシーツや枕なども起床のまま放置せずにきちんと整頓にして、サソリが潜む空間である皺を作らないでください。

2.服を着る際には必ず一振りして目で確認する

庭に干していた服を取り込む時、あるいはタンスの中から服を取り出す時は、服をパっと振り払いましょう。サソリが服に隠れている場合があるからです。また、靴の中にもという場合もありますので履く前にも振り払い、サソリがいないことを目で確認してください。

3.防虫剤は専門の業者に

メキシコではサソリ対策として、専用の防虫剤を散布する業者がいます。こういった専門業者にお願いするのも良いでしょう。もちろん、ゴキブリ用など防虫剤では効果はありませんので「うちは防虫剤を撒いているから大丈夫」と慢心せずに、専門家と相談しながらサソリ対策を行ってください。

■サソリに刺されたら?しかも複数人の場合は?

もし、実際にご家族や友人がサソリに刺されてしまったらどうすればいいのでしょうか。もちろん、至急病院に連れて行くしかありません、なのですが、前出のマリア先生はこう話しています。

「応急処置として患部を冷やしたり、触ったりするのは絶対にやめてください。とにかく、何もせず病院に連れてきてください。患部への過度の接触によって毒が全身に回りやすくなる場合があります。患者さんの体調や体質によっては5分ほどで呼吸困難に陥いる場合もあるのです。」

また、サソリの種類によって毒の強さが違うため、どのサソリに刺されたのか把握するため、靴を履いた状態で踏み殺す、またはサソリ専用の殺虫剤で殺すなどして、サソリの死骸を容器に入れて持参するのがベストとも述べています。

「サソリに刺されて動揺し、何もできなかった場合でも処置することは当然できます。ただ、もし可能であれば、刺したサソリの写真を撮るか、あるいは色や大きさだけでも覚えておいてください。」

サソリ独特の注意点として、同じサソリに刺された人が複数いる場合は、刺された順番を把握してほしいとも先生は述べています。

「サソリは1度に4人ほど刺すことができます。そして刺された順番が後になればなるほど毒の量が多い習性があります。そのために治療の順番も変わってくるので、刺された順をしっかりと把握しておいてください。」

■3日経っても痛みが消えない場合は再度病院へ

サソリの血清投与は、早ければ30分ほどで終了します。一般的には体調が回復するまで治療を続けるので、基本的に入院せずに治療が終わり次第、即日帰宅することができます。その後はしばらくは安静が必要ですが、シャワーを浴びても問題はありません。

「治療後に痛みがあっても動けるのであれば、翌日に仕事や学校に行っても問題はありません。痛みがあれば市販の痛み止めを飲んでも大丈夫です。でも、可能であれば数日は仕事や会社などを休んで安静にすることをお勧めします。」

しかし一方で、治療後に帰宅して喉に激しいかゆみや話す時にうまく舌が回らなくなるなどの症状、また、治療後3日経っても痛みが消ない場合は、再度病院での受診が必要です。

そしてマリア先生は最後にこう述べています。

「余談ですが、サソリは2匹で行動することが多いそうです。もし一匹を駆除できたとしても、もう一匹が近くに潜んでいる場合がありますので、専門の業者に相談してちゃんと対策を施すことがベストだと思います。」

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