GDPの2%が消えている 脱税が蝕む未来への成長

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メキシコでは2016年、脱税によって5100億ペソもの税金が徴収をされていないと推定されています。これはGDPの2.6%にあたる額です。

この損失の大きさを理解してもらうために、メキシコと日本の教育予算(主に公財政支出)を例に出してお伝えすると、メキシコの対GDP比は6.2%ですが(※2)、2014年の日本は9.2%です(※4)。もし脱税で消えた5100億ペソを割り当てられたら、メキシコも日本と変わらないレベルになっていたのです。

SAT(国税庁)とUDLAP(アメリカス・プエブラ大学)の脱税についての調査では、最も脱税された税金はISR(個人所得税)で、およそ2900億ペソだと計算されています。続いてIVA(付加価値税)で、その額はおよそ1880億ペソです。この2つの税金は、メキシコの税収全体の約8割を占めています。

ただ、この調査では、政府が徴収を強化した結果、この数年で脱税額は減少していることもわかりました。ISRの脱税による損失率で見てみると、2006年は50%でしたが2016年は19%まで減少しているのです(※5)。

では、なぜメキシコでこのような多額の脱税が起きているのか。おそらく以下のことが考えられます。

• 未登録の違法なものや友人間におけるものなど、インフォーマルな仕事の存在。

• 納税に対する教育や周知の欠如。

• たびたび起こる経済危機。

• 税務局の徴収や管理能力の不備(※5)。

一番の原因はUDLAPの学長の発言にある、「メキシコ人には法律を遵守する感覚が薄い」ことでしょう。学長は脱税を防止するために以下の3つのことを推奨しています。

• 徴収システムのデジタル化を加速させ、より現代のライフスタイルに適合させること。

• メキシコでは食べ物や薬に税金がかかっていないので、全ての物に税金をかけること。

• どんなに小さい会社でも登録させてインフォーマルな状態を解消し、法人から税金を徴収するようにすること(※6)。

この対策で現在の2倍の税収が期待できるということです。税収が増れば教育にまわせる予算も増えて国民の収入の増加につながり、その結果、更なる税収の増加にもつながるのです(※6)。

税金について考えることは、今後の国の発展や成長のために必要なことなのです。

詳細なレポートはSATの下記サイトで見ることができます(スペイン語のみ)。

http://www.sat.gob.mx/administracion_sat/estudios_evasion_fiscal/Documents/Evasion_global2017.pdf

<出典・参考>

(※1)MILENI0 – http://www.milenio.com/firmas/maria_doris_hernandez_ochoa/invierte-Mexico-educacion_18_1065073495.html

(※2)SDPnoticias.com – https://www.sdpnoticias.com/nacional/2017/09/08/gasto-nacional-en-educacion

(※3)UNESCO – http://www.unesco.org/new/es/media-services/single-view/news/how_much_do_countries_invest_in_rd_new_unesco_data_tool_re/

(※4)Expansión/datosmacro.com – https://www.datosmacro.com/estado/gasto/japon

(※5)La jornada – http://www.jornada.unam.mx/ultimas/2018/04/09/estudio-revela-evasion-fiscal-equivalente-al-2-6-del-pib-en-2016-7353.html

(※6)UDLAP – http://blog.udlap.mx/blog/2018/04/udlappresentaestudioevasionfiscalglobalenmexico/

 

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